本日の朝刊に大型長距離ドライバーの実態が一面で報道されていました。
アサヒ・コム
わたしがやっていた30数年前と全く変わっていないと言うか、
更に過酷になっているようです。
車両が数十台とか数台の運送屋は大手の日通、ヤマト、西濃又は大企業子会社運輸などからの下請け、孫請けが殆どです。
往きの荷はこれらの仕事で行きますが、運賃が元請けにピンハネされていますので、復は空で走れば赤字になります。
そこで、行った先の運送屋などか、傭車配送専門にしている「水屋」と呼ばれる業者に帰り荷を頼んでおきます。
大体1社で1から2割ピンハネされますので、間に3社も入るとタダ同然です。
それでも油代だけでも稼がなくてはなりません。
こんな運送屋が業界の90%以上を占めています。
国はいろいろと通達を出して、過酷な労働の防止はしていますが、
これを守れるのはピンハネで大もうけをしている大手だけです。
査察に入るのはこんな大手の業者ばかりで、事前に連絡もあります。
元々、法令など守られていない小さな業者などには査察など入りません。
これに輪を掛けて、速度抑制装置(最高速度90キロ)が取付けられて高速道路でも90キロ以上出ません。
最近はデジダルタコメーターと言って走行速度、エンジン回転数、エンジン停止、アイドリングなど
走行状態が全て記録される機器が取付けられるようになりました。
記録でランク別に成績付けられ、悪いと給与にも影響します。
荷主はそんなことお構いなしに朝何時必着などと指定します。
このところの油の値上がりが運賃に反映されず、もろ人件費で対応している会社ばかりです。
新聞に掲載された手取はわたしがやっていた30数年前と変わっていません。
当時は眠気を取るために麻薬を打ちながら走っていたドライバーもたくさんいました。
今もいるのではないでしょうか。
このようなドライバーが家のようなトラックを転がして公道を走っています。
速度抑制装置を付けたから大事故になっても大丈夫とお上は考えているのでしょうか?
総重量25トンもあるトラックが90キロ、いえ60キロで後ろからぶつかれば乗用車などペチャンコです。
今日もあちらこちらで居眠りしながら走っているトラック、皆さん気を付けましょう。
あっ、観光バス業界も似たり寄ったり、速度抑制装置が付いていませんので、140キロも楽々出ます。
まあ、このようなドライバーが日本の物流を支えているのが実情です。
30数年前の実態