24日一日目/天気・晴れ
今回のツアー集合はのんびりだ、毎回羽田7:30とか早かったが今回は9:40とのんびり集
合、千葉駅始発8:08の大船行きに全員が集合することになった、日曜とあって千葉を発
車するときはガラガラだ、新小岩での最終集合者も座って品川まで行くことが出来た。
品川からは京急で空港まで直行出来るので楽になった、羽田へ予定通りに到着、手続き
を済ませ航空券をもらう、急いでクラスJに変更手続きに行ったが、生憎と満席と断ら
れた、+1,000円でゆったりシートだったのだが残念。
朝の天気予報では現地は晴れ時々曇りらしい、晴れてくれることを祈りながら定刻に飛
行機は飛び立った、順調に飛行をし無事に福岡空港へ着陸、着陸後ターミナルに移動す
るまで待たされてかなりの時間がかかった、出口までトータル2時間かかってしまった。
出口にはいつものように添乗員がいつもの旗を持って待っていた、今回の添乗員は少々
太めのお姉さんだ、我々を除き、年金暮らしの方々全員勢揃いしたところで博多港へと
バスは向かう、飛行機が遅れたせいで港での待ち時間が少ない、昼食を摂らないといけ
ない、乗船口前にレストランがあったので大急ぎで入り「白身魚フライ定食」を注文、
乗船時間まで30分しかない、店の人が必死に作っている姿が見える、弁当8個の注文も
受けている、出来るのだろうかと心配になる、生ビールを飲み飲み「あと20分か」など
と話をしていると定食が運ばれてきた、大急ぎで済ませてどうにか無事に乗船をした、
2等船室は満員だ、そこで船内を探索してみると2等指定船室がある、ここは空いている、
800円を支払い移動する。
2時間の船旅の始まりだ、海は静かで天気も上々、地震で有名になった玄海島を探すが
島が多く、どの島か分からず仕舞いで船は定刻の16時に壱岐芦辺港に着いてしまった。
なんと、ここで待っていたガイドさんも太い、添乗員、ガイドとも太いとは珍しい、古
いバスでは走行に支障が無いのかと心配になる。
バスは壱岐っ子とかの銘柄がある焼酎工場へと向かう、到着して時間が少ないとかで工
場見学は省き、試飲のみとなった、各種銘柄が机の上に並べてあるが、皆がどどっとた
かったので入り込む隙間が無い、コップを持って周りをうろうろ、そのうち飲み飽きた
のか空いてきたので椅子に腰掛けのんびりと試飲をする、ここの焼酎は米10に麦90だそ
うだ、どんなものでもタダで飲めば美味い、最後に地下150mから掘った井戸水とかいう
水を腹に入れて水割りにして試飲は完了。
その後バスはイルカ事件で有名になった街を通り、左京鼻へと行く、要するに岬だ、海
鵜の糞で白くなった岩礁があるだけだ、そそくさと次の目的他へと急ぐ、もう5時だ、
次に行ったところは海に立っている地蔵で有名らしいはらほげ地蔵、生憎干潮というこ
とで海の中には立っていなかった、海の中にあるということで腹に穴が開いていて、そ
こに蝋燭などを入れるらしい、そこの穴までは水は来ないようだ。現地のババさん三人
が家の前で我々一行を眺めて何か話をしていた、「ほれほれ、バカどもがまた来よっ
た」と話をしていたらしい。
近所の広場で野球をしていた少年が走り去る我々の乗ったバスに手を振ってくれる、さ
っきのババさんと違ってなかなか良い子である、こちらからも必死に手を振って答えた。
もう5時半も近い、もう一カ所周るらしい、なんとかのなん時に活躍した少弐資時さん
とか言う人の墓と神社だ、神社でお墓とは珍しい、ここ壱岐に寺は見あたらなかった、
神社しかないのだろうか?、この点をガイドさんに質問するのを忘れてしまった。
宮司さんの案内で、まずはお墓を見学し、神社へと向かう、お墓の前に立っていた石灯
籠は先日の地震で倒壊していた、神社へと向かう道すがら一組のおっさん連中が花見の
宴を繰り広げていた、おっさん曰く「お参りする前に、お清めだ、一杯やっていけ」と
我々一行に進めるが、折角のお誘いに気持ちがぐらつくが無視してお参りをする。
時計は6時を回っている。
もう一つ寄るらしい、予定では芦辺港へ到着したら最初に寄るところだった男岳(おんた
け)神社、石猿群があるらしい、バスは山道を上り、駐車場のあるところへ到着、もう6
時半だ、山道を少し歩き神社到着、神社前には展望台があり眺めはまあまあ、神社の社の
廻りに石で作られた猿の彫刻が立ち並んでいた、特に神社そのものに見るべきものは無い、
小さな神社だった。時計は7時前だ。
さあ、本日のスケジュールは完了、ご一行様は二手の旅館に別れ泊まるらしい、我々の泊
まった宿は「かねや別館」、どこにも本館は見当たらないが別館らしい。
到着後はすぐに夕食となった、テーブルには大きな桶皿盛りの刺身が載っている、でも
数が少ない、人数分は無い、躊躇していると「係の者が分けますから、箸を付けないで
下さい」と申し付けていた。無傷の姿で写真を撮ろうとしたが先ほどの係の者がラップ
を剥がすと同時に小皿に取り分けてしまった。桶皿からいきなりの小皿、これはショッ
クが大きかったが、気を取り直して食らいつく、美味い、ヒラメの刺身が美味い、アワ
ビが美味い、サザエの壺焼きも美味かった。
夕食もたらふく食べて満足をした、部屋も3人で14畳と広い部屋だ、部屋からの眺望は
何も無い、裏の人家が見えるだけだった。
夕食時に余ったビールと焼酎を部屋に持参し、飲み干し、ぬるくなった風呂へ入り夢の
世界へと向かった。
25日二日目/天気・曇りのち晴れ
トラピックスのお宿は人里離れたところが多い、お陰で早寝が出来る、夕べも早々にお休
みになったので5時頃に目が覚めた。部屋が裏手なので窓からの眺望は全く無いので外に
散歩に出かけた、表は昨日到着した芦辺港である。
島内湯唯一のスーバー・ダイエーがデンと構えている、ここは撤退の予定には入ってい
ないのだろうか、心配である。大手スーパーが進出すると地元商店は皆廃業に追い込ま
れる、そしてそのスーパーが撤退となれば大変な事態を招くことになる。
と言うようなことを考えながら港を食事までの小半時散策して歩いた。
6:40朝食、アジの味醂干しがメインのようだ、ご飯を三杯食べたら腹がきつくなった。
7:40出発、さあ、今日一日の始まりだ、無人島に向かうらしい、無人島と言っても名前
は付いている、勝山港の近く辰ノ島と言うらしい、港からは漁船を改良した渡船で行く、
海が綺麗だ、この辰ノ島の隣に若宮島という島があり、海上自衛隊の駐屯地になってい
る無線塔が立ち並んで我々一行を守ってくれているのだう。
辰ノ島の入り江に沿って遊歩道を歩く、前は海水浴場になっているそうだ、入り江に沿
って歩くこと10分、登山口のようなところから上に登る、羽奈毛崎というところまで連
れて行かれた、断崖絶壁のところで、崖の近くまで踏み込むと心の臓がゾーとするとこ
ろだった、戻り道でパラパラと今回唯一の雨が落ちてきたが、数分で止んでしまった。
知らない名前の花があちらこちらに咲いていた、なかかな無人島もおつなものだ。
船長も爺様、島内案内役も爺様、案内役の爺様は港に戻ると自転車でスイスイと家路を
いそいでいたようだ。今日の仕事を無事終えて、日当はいくらになるのだろうかといら
ぬ心配をしてここを離れた。
次に連れて行かれたところは「猿岩」、横からの形が猿にそっくりと言うことで付いた
らしい、ほんとうに猿の横顔そっくりだ。早々に記念写真を撮り、10分ほどで離脱、離
脱寸前に湖南中学校という学校の生徒が路線貸切バス3台でやって来た、壱岐バスが満
員なのは初めて見た、昨日からこの時間までにすれ違った路線バスは全て無人だった。
次は島内標高一の「岳ノ辻」213mと言う山に向かった、頂上にはNHKなどの無線塔が
立ち、展望台があった、天気も快晴ではないので素晴らしいというほどの景色ではなか
った、本日、壱岐島最後の観光地で予定は完了、あとは土産物屋によりジェットホイー
ルで対馬に向かうだけだ、土産物屋では草豆団子を6個(1個50円)買った。
この土産物屋が一番時間が長いような気がした。
郷ノ浦港を11:30に出発したジェットホィールは巡航速度79km/hで対馬に向かう、凄いス
ピードだ、でも揺れは全くない、特急電車の車窓のように景色が動いていく、港で買った
缶ビールと弁当を食べ終える頃には対馬・厳原港へと到着をしてしまった、ちょうど1時
間だ。
さて、いよいよ国境の島巡りの始まりだ、さあ、ここのガイドはどうだろう、「ぎょ」、
やはり婆さんだ、何はともあれ出発進行、一気に対馬縦断らしい、2時間の乗車になる
とか、船で缶ビール3本を飲んだ身には厳しい、案の定走り出して15分もすると尿意を
感じる、じっと我慢、我慢をしていたらいつの間にか尿意は無くなった、きっちり2時
間を広い道狭い道と走り、途中320坪90万円の土地を車窓に過ぎ、着いた先は「棹崎公
園」という日本最西北端らしい、ツシマヤマネコの保護施設(猫舎3,000万円)があるが
生憎と月曜で休みだった、この公園からは視界が良いときには韓国がよく見えるところ
だそうだ、残念ながら天気は良かったが霞んでいて隣国を見ることは出来なかった。
この公園に30分ほど滞在し、バスはまた来た道を一気に戻ることになる、次は和多津美
神社に向かう、何の神社かは忘れた。海の中に鳥居が二本立っていた、神社の裏に和多
津美姫のお墓がある。時間は4時半を回った、さあいよいよ今日最後のところとなった
烏帽子岳である、ガイドが盛んにここは素晴らしいと言う、どんなところだろう、神社
前から数分道路を上りバスは道の途切れた場所で停車、ここからは徒歩だそうだ、いつ
もご一行の最後を歩いていたが、一気に先頭へ立ち展望台へと急いだ、展望台へは一番
乗りで到着したが息が切れる、でも素晴らしい眺めだ、こんな素晴らしい景色がまだ日
本に残っていたのかと思うほど神々しさを感じる、鳥肌が立つようだ。
一番ので景色を独り占めしいたら一行様がゾロゾロと上がって来た、ガイドも来た、こ
のガイド色々と知っているのは大変に嬉しいのだが、兎に角黙っているときがない、目
が開いている間は喋っているのでは無いかと思うほどうるさい、また自己自慢も鼻に付
く、こういう素晴らしい景色のときには黙って静かに眺めたいものだ。
26年前に自衛官の夫に付いて対馬に来て、すっかり対馬の魅力に取り付かれたらしい、
それはそれで結構なことだが、魅力を人に押し付けるのは止めて欲しかった。
魅力は自分が感じるもので、押し付けるものではないのだ。その歴史&植物先生の話を
帰路のバスの中で子守歌代わりに聞きながら今夜の宿、出発地の厳原に戻ってきたので
ある。
今夜も分宿、こちらは「旅館・万松閣」というところへ行くことになった、街を流れる
小川の側に旅館はあった、ビジネス旅館のような雰囲気だ、6:30到着、ここも食事が7
時からと言うことで風呂に入りたいが4人も入ると満杯とかで諦めて土産物を買いに行
くことにした、食事は石焼きがメインで海産物と野菜を石の上で焼いて食べた。
石が熱くなっているので周りも熱い、ここも食べきれないほどの量がある、もう食えね
えと唸るほど食べて部屋へ戻る、食えねえほどの腹だが、さあビールを買いに行こうと
なり缶ビールを買いに出かけた、ついでにお尻拭き拭きペーパーも買い、翌朝に備える、
ここはウォシュレットが無いのだ。
風呂は家庭風呂を大きくしたような風呂で温水が全て配管で繋がっているので一カ所を
出すと隣は出なくなる。そこで誰もいなくなった時間を見計らって行ったら湯船はぬる
ま湯、湯船に入ることは諦めてシャワーで流した。
飲過ぎと歴史勉強のし過ぎですっかり眠くなり、2日目も良い子で寝ることになった。
26日三日目
今日は快晴の朝を迎えた、ここも窓からの眺望はまるで駄目、隣の花ちゃんとご老体は珍
しく早朝散歩に行ったらしい不在だ、こちらの黄昏おじさんは起きてこない、うーちゃん
と二人で朝の厳原港へと散歩に出掛けた、いい天気だ、街は6時半だと言うのに静まりか
えっている、ちょうど日の出頃か大陽の陽が射してきた、石畳の通りが多い、所々の家の
前に、お地蔵様のようなものが置かれている、家族の名前が入った赤い前掛けが掛けてあ
った。7時から朝食と言うことで港まで行き、宿へ引き返し昨日と同じような朝食を摂っ
た、今日の出発は7時50分とか、宿から少し歩いてバスとの待合い場所へ移動、ほどなく
バスが到着、今日の予定もコース変更らしい、早朝に歩いて行った厳原港近くの市役所前
へと連れて行かれた、ここで分宿組と合流し、万松院へと徒歩で向かう、相変わらずガイ
ドは喋り放しだ、そぞろ歩きで10分ほどの所に万松院はあった、最初に記念撮影を済ませ、
院へと入る、対馬藩主宋家の菩提寺だそうで寺の横手の階段を上った山の中腹に歴代の墓
もある、この墓所はまだ宗家で使っているようで昭和60年に亡くなられた宋さんの新しい
お墓が奥の方に建立されていた。
お墓見物の後に歴史博物館を見学し、厳原町とはしばしお別れ、狭い峠道をバスは上見坂
公園とやらへ向かう、ほんとうに狭い道だ、離島振興法であちらこちらで道路拡張工事を
やっている、しかし、玄海ツツジが山肌いたるところで咲いて綺麗だ、上見坂公園は広い
芝生が植えてあり、展望台もある、ここからの展望は片側だけだ、でも天気が良いので見
晴らしは素晴らしい、入り組んだ入り江に島々が点々としている、一直線の対馬空港が遠
くに見える。玄海ツツジに八重桜、木々の花が満開で迎えてくれた上見坂公園を後に次は
元寇が上陸した跡地とやらに向かう、狭い峠道をバスは気を使いながら走っている、毎日
走っているといえ、こんな狭いところばかりだと神経もくたびれるだろう。10時40分に小
茂田浜に到着、元寇が攻めてきたという地点は離島振興法の助成金でテトラポットの並ぶ
立派な埋め立て海岸線に変貌していた、元寇を想像することは完璧に不可能だった。
相模原の本社から携帯に電話が掛かって来た、こんなところでも携帯が使えるとは日本の
技術は捨てたものではない。
元寇を想像することも出来ず、神社だけをお参りして、すぐ近くの石屋根集落へとバス移
動、5分ほどで石屋根到着、納屋の屋根が石で出来ているということらしい、どの家も母
屋は立派な家だ、御殿のような建物群が並ぶ、その御殿の物置が石屋根だそうだ、ここは
男は入れないらしい、一件の石屋根小屋の戸が開いていたので覗くと、お婆さんが昨日法
事があったとかで、客布団の片付けをしていた。快晴の中、鯉のぼりも気持ちよさそうに
泳いでいた。
さて、これで見物見学は完了、この後昼食を摂って一路厳原港へと向かうことになる、昼
食は途中の蕎麦屋で対馬ソバだそうだ、15分ほどで蕎麦屋到着、ざるソバかと思ったがか
けソバだった、野菜天ぷらと小さいおにぎり2個が付いていた。ソバは素朴な味で美味か
った。唐辛子が七味ではなく一味だったのが少々残念であった。
12時15分に出発、1時前には厳原港へと到着、賑やかだったガイドとも永遠の別れをし、
ターミナルに向かう、帰路は壱岐経由となり2時間のジェットホィールの船旅だ、定刻13
時20分に出発、対馬ともお別れだ、港を出た船は一気に加速をし、89m/hと来る時よりも
速い、ビールを飲み飲み快適な船旅を満喫する。壱岐からの乗客を含めて乗船率は40%程
度、ツアー客のいない時は淋しいだろう。
博多港へは定刻で到着、待っているバスに乗り込み関所へと連れて行かれる、九州観光会
館、以前に宮島・萩・津和野を旅した時も連れて来られた所だ、でもここからは空港が近
いし、時間もたっぷりある。明太子でも買ってくるかと店内をうろうろ、凄い混雑ですあ
る、こりゃ儲かるなぁと感心しきり。
空港へ着いて、チケットを貰い大急ぎでカウンターへ走る「クラスJ、空いていますか
?」「あいにく一席しかありません」、博多ラーメンを食べ、定刻10分遅れとなった便の
普通席で羽田へと向かい、壱岐・対馬三日間の旅は無事に完了。
後日談
29日、釜山−博多を結ぶジェットホィールが海上で何かと衝突した事故が発生、今回、乗
船した船のアナウンスで「浮遊物、クジラ、イルカ等との衝突があることも考えられます
のでシートベルトは必ず締めて下さい」と言っていた(・・;)
今度乗る時は必ずシートベルトをしよう。